THE GROOVERS 藤井一彦が語る、ニューアルバム「Groovism」の全貌。
7曲目「YES or NO」

liveikoze : これは日本人のプライドを歌った曲なんですよね?

藤井一彦 : 結構決めてかかるよね、まあいいんだけど(笑)。最初にあったのはファンク的な楽曲が欲しいということ。ギターカッティングと、ベタすぎない16ビートというか、ロックバンドがやるファンクみたいなのをうまく提示できればなと、スタジオでジャムって作ってたんですよ。だから歌詞はどっちかっていうと後回しというか、曲先行だったかな。

liveikoze : "人間として"というワードが出て来たのは?

藤井一彦 : なるべく短い歌詞にしたくて、言葉少なに多くのことを語れればということだけがボンヤリとあって。意味とかは、むしろ後付かなって気がします。

liveikoze : "侍"、"撫子"といったワードが出てくると、どうしても日本をイメージしてしまいますが。

藤井一彦 : 日本というか、人間のアイデンティティーに関して一言申し上げたい部分もなくはないけど、結論とか答えを言いたいわけじゃないです。「投げかけ」はしたいけど。

8曲目「空白」

藤井一彦 : この曲が一番、アレンジが二転三転したかな。

liveikoze : そうなんですか。サラっと出来た感じの曲のように感じましたけど。

藤井一彦 : 質感的にはね。サラっとしてるしポップですね。最後から2番目くらいに出来た曲なので。途中まで…7曲くらい出来た段階で、このアルバムに足りないのはどんなタイプの曲かな?みたいな作り方に変わっていくんだよね。最初は衝動で作っていくけど。

liveikoze : 帳尻合わせ的ですね。

藤井一彦 : 帳尻合わせって!(笑)。

liveikoze : すいません、バランスをとるということですよね?

藤井一彦 : そう、バランスです。あとはどんな曲があったらいいかなって。ああいうテイストの曲がないよねってことで、色々なアレンジを試した結果あれに落ち着いた感じ。

liveikoze : それで結果的にポップになったと。

藤井一彦 : そう。ポップな面を、もっと出しても良いんじゃないかと。だからもっとベタッとした8ビートだったときもあったんだけど、ああいう曲調にだんだん変わっていった。

liveikoze : 歌詞についてなんですけどこれは世界平和についてですか?

藤井一彦 : 世界平和!? 大きいねー!(笑)。

liveikoze : 希望の歌なんだとは思いますけど。

藤井一彦 : うん。

liveikoze : その裏に世界平和を願うみたいなテーマが隠されているのかと…

藤井一彦 : 裏?(笑) まあ世界平和は多くの人が願ってると思うけど(笑)

liveikoze : ちょいちょい隠し混んでいるのかなと思ってしまったんですよね。

藤井一彦 : うーん、「密かに盛っている」ようなことは、逆に全部の曲にあります。

liveikoze : 歌詞の中で出てくる"俺の空白"とは何なんですか?

藤井一彦 : 心の穴かもしれないし、もっと現実的な、例えば仕事だったり、いろんな場面で上手くいかないことがあったりするときの、足りないものだったり。そこもあまり限定的ではないけど。

9曲目「ANOTHER VIRTUE BLUES」

藤井一彦 : これはもろにストーンズ・タイプの曲で、こういう曲をついアルバムに1曲入れちゃうんだよ。今回もやっちゃいました。

liveikoze : 待ってましたって感じですね。

藤井一彦 : あ、ホント? GROOVERS のストーンズ・タイプの曲って待たれてんのかな?(笑)。待たれてないような気もするけど。あ、まただ!って(笑) 好きだねー、みたいな。でも俺らの世代は、わりとそうかもしれなくて、確かソウル・フラワー・ユニオンの中川君も「俺らも入れてまうねん」って言ってた。俺らぐらいから、もう少し上の人たちまではストーンズに対する思い入れの強さが独特かもしれない。それは時々感じますね。またやっちゃったけど、カッコいいし気持ち良いからいっか、みたいな曲ですね。

liveikoze : 歌詞が凄くカッコいいです。特に"悪の華 狂い咲いて"の部分とか。

藤井一彦 : 朗読すんなー(笑)。

liveikoze : ではタイトルの"美徳"は何を指しているんですか?

藤井一彦 : どうかなぁ…ただのモチーフだけどね。モチーフにするにしても硬いというか、扱いやすいもんではないけど、そこをあえて取り上げるのは逆に面白いかなと。でもタイトルに日本語で「美徳」って使うのはアレなんで英語にしましたけど(笑)。こういう、ロックの歌詞ではどうなんだろう?という言葉もあえて使うのが面白いからやってて、美徳について何か言いたいわけでもない、というか。…なんかそんな答えばっかりで悪いけど。

liveikoze : そこに深い意味があることはわかりますけど。

藤井一彦 : 意味はあるとは思うよ。この曲で言うなら、ある人から見た美徳は、もう一方から見たら違ったりする。そういった差異について書きたいなっていうのはボンヤリとあったけど、そこを特別に一生懸命にはやらないというか、それと同じくらいに、ただのロックの歌詞じゃんみたいな気持ちもあるわけ。自分の中に両方混在しているというか。J-POPみたいな歌詞は死んでも書きたくない気持ちもあるし、どうせならいいセリフをカッコよく主人公に言わせたい。でもただの歌詞じゃんって気持ちもある。ロックンロール的なイージーさも絶対必要で。それらが全部せめぎ合って出てきたものが俺の歌詞って感じです。それにものすごく引っかかってくれる人もたまにいて面白いです(笑)。