DER ZIBET 「DER ZIBET 30th Trip vol.0 」 3月28日 目黒 鹿鳴館
レポート 2015-06-03
結成当初から、異色で多彩な要素を取り入れたサウンドと、文学的で、どこか世紀末を感じさせるような退廃的世界観をもつ詩の表現で、独自の美学を築き上げてきた孤高のバンド DER ZIBET が今年メジャーデビュー30周年を迎える。その彼らが記念すべきアニバサリーイヤーの最初を飾るライブを、目黒鹿鳴館にて開催した。

この記念すべきライブを一緒に祝福しようと、多くのオーディエンスが詰めかけている。定刻を5分過ぎた頃、満員の会場には、繊細でエキゾチックなSEが流れメンバーがステージに現す。そしてアブストラクとなサウンドから、1st album「VIOLETTER BALL~紫色の舞踏会~」に収録されている 「.Lunatic Dancin' 」でライブはスタート。ワインのような赤いフリルのシャツに、黒いベルベットのジャケットを纏ったISSAYは暗黒の貴公子のごとく優雅に歌い始める。続いて2ndアルバムからスピーディーで近未来的なロックナンバー「Electric Moon 」と初期のナンバーを立て続けに披露していく。

「こんばんはDER ZIBETです。30th Trip vol.0 、今日はグッドトリップにしましょう。今日は何が壊れていくのか…人格が壊れていくのかもしれません。」と、ISSAYは話すと、哀愁を帯びた鍵盤のメロディーが鳴り、シャンソン風な「TRAGICOMEDY 」を。オープニングの流れとは一転して最新のアルバムからの選曲だ。そしてハードロックばりのHIKARUのギターリフからドライヴィンな「潜在的愛人 」でISSAYは髪を振り乱し歌い、間奏でパントマイム的なパフォーミングを見せるメロディックな「Lost Boy 」と90年代中期の曲を演奏し、HALの硬質なベースとMAHITOのピアノの音色が甘く誘うようなスペーシーなタンゴ「アルルカンの涙」を聴かせる。

MCで「今年DER ZIBETはデビュー30周年を迎えました。デビュー前によくやっていた鹿鳴館に戻ってきました。」とISSAYが話すと会場からは大歓声が上がる。「楽しいぞ…楽しんでる?もっと楽しもう」とオーディエンスに話しかけ「猥雑な気分になりたいので」と囁き「裸足のLady Doll 」を。ステージは赤とピンクの照明が相まって妖しく淫らな表情を醸し出していく。そのまま、広大な世界を思わせるギターフレーズが印象的な「LILAC 」、ニューウェイブ風なブルース「.Club idiot 」を演奏すると、ステージに椅子が用意されアコースティックセットに。

「泡沫の舞踏会」でISSAYはタバコをくねらせながらワインを口にし、世捨て人のように「酔いどれのロクデナシは歌う」と刹那的に歌い、98年にロンドンでレコーディングされた爽やかなナンバー「疲れてしまう前に」では優しく語りかけるように「眠れ~眠れ~」と歌っていく。「次の曲も祈りの歌です」と会場に優しく伝えると「水の中の子守唄 」を。タイトル通り水の中を浮遊するような感覚を思わせるHIKARUの音が一音一音が揺らめいて幻想的だ。

アコースティックセットが終わった後のMCで ISSAYは「眠れって言ったり、オヤスミって言ったり…眠るなよ!...寝かさねーよ!」といい、グリッターなロックンロールナンバー「DOWNER KING 」で会場を再びダンスフロアーへと。黒い羽を身に纏ったISSAYが、曲のタイトルのごとく妖艶な王様のように振る舞い、手にしたワイングラスをぶちまけると、中身はワインではなく、煌びやかでギラギラした紙吹雪が会場を舞うのであった。その行為に触発された会場の熱気はさらに加速し急上昇していく。その流で「DARK SAPPHIRE 」、ISSAYの「いくぜ鹿鳴館!」のコールでワイルドなHIKARUのギターが炸裂するハードな「.深海魚」へと繋げていく。そして四つ打ちビートのダンスナンバー「マンモスの夜 」でステージと一体と化したオーディエンスを踊らせた後、それまでの熱狂をゆったりとクールダウンさせるように「マンモスの夜 」を演奏して本編最後を締めた。

アンコールは、最初にステージに現れたキーボードのMAHITOが、アコースティックギターを手に即興で30周年の歌を披露すると温かい声援が起こり、紫のベルベットに白いフリルシャツに着替えたISSAYが「もうひと盛り上がりしましょうか、HALちゃんいくぜ!」と叫ぶと、ベースのHALの歪んだ音が空気を震わせ、アッパーなロックナンバー「Perfect Kiss」を。そして会場中が大合唱の「VICTORIA 」で再び熱狂の渦を巻き起こし、「昔の曲をやります」と最後に2ndアルバム収録の「FLOWERS 」で甘美な時間に終止符を打った。

今回はアニバーサリーライブということで、過去の長いキャリアの中からまんべんなく選曲されたセットだったが、どの曲も全く色褪せることなく今の時代にシンクロしているのが驚きだった。そしてその多くの楽曲からは、のちに続くバンド達が影響されただろう”影”が見え隠れしていていたのがわかり、改めて「ヴィジュアル系の元祖」といわれている DER ZIBET の存在感の凄さを思い知らされた夜だった。


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「DER ZIBET DER ZIBET 30th Trip vol.0」
3月28日 @目黒鹿鳴館
01.Lunatic Dancin' 『VIOLETTER BALL ~紫色の舞踏会~』1985年
02.Electric Moon  『Electric Moon』1987年
03.TRAGICOMEDY 『NINE STORIES』2013年
04.潜在的愛人  『POP MANIA』1994年
05.Lost Boy  『TRASH LAND』1993年
06. アルルカンの涙  『ROMANOID II』2012年
07. 裸足のLady Doll  『ROMANOID II』2012年
08. LILAC 『NINE STORIES』2013年
09 .Club idiot 『Green』1995年
----Acoustic
10. 泡沫の舞踏会 『ROMANOID I』2012年
11. 疲れてしまう前に 『GARDEN』1988年
12. 水の中の子守唄 『思春期-II~ダウナーサイド』1991年
----
13. DOWNER KING 『ROMANOID I』2012年
14. DARK SAPPHIRE 『NINE STORIES』2013年
15. 深海魚 『HOMO DEMENS』1990年
16. マンモスの夜 『CARNIVAL』1989年
17. 蜃気楼へ 『ROMANOID I』2012年
En
18. Perfect Kiss 『POP MANIA』1994年
19. VICTORIA 『思春期-Ⅰ ~アッパーサイド』1991年
20. FLOWERS  『Electric Moon』1987年

text:R HIRAKAWA photo:M.Saito


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