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MORRIE “HARD CORE REVERIES” 「To Nowhere」3月4日 東京キネマ倶楽部

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20年ぶりに待望のソロアルバム“HARD CORE REVERIE” を昨年12月25日にリリースしたMORRIE。 
2015年3月3日、4日の2日間、MORRIE Solo Live 2015 “HARD CORE REVERIES”「From Nowhere」、「To Nowhere」 と題したバースデイライブが東京鶯谷の “東京キネマ倶楽部”で開催された。

今回訪れたのはバースデイ当日2日目の「To Nowhere」。会場は、大正ロマンのオペラハウスを再現したという洋館風である。一歩足を踏み入れるとそこは元グランドキャバレー特有の雰囲気が随所に漂っている。薄暗いライトの元、刺繍が施された深いボルドー色の絨毯が床や階段を敷き詰めており、ステージから1フロア上のオーバル状に湾曲した客席には、半円のソファが所狭しと置かれている。この場所でその昔、グランドキャバレーならではの艶やかなショーや様々な人間模様が、深々と長い歴史を刻んできたであろう、今では数少ないレトロな趣のある空間である。

18時15分の開場と同時にステージ前は見る見るうちに人で溢れ、オーバルに沿った二階席もあっという間に埋まっていく。定刻の19時を少し過ぎた頃、場内は暗転し重々しい鐘の音が鳴り響くSEと共にバンドメンバーが登場。そして真っ赤な照明に照らされる中 、Crow を彷彿させる漆黒の羽根付きのマントを纏った MORRIE が登場すると、「MORRIE!!」という悲鳴にもにた歓声が会場中から沸き上がる。

MORRIE がさっと手を挙げ一瞬の静寂の後「春狂え」でライブはスタート。儚く脆く、春の夜の夢に消えいるようなメロディーに 漂うMORRIE のファルセットヴォイスが会場の空気をゆっくりとを変えていくのが分かる。力強いドラムのビートから、イントロのサックスが引っ張るようなロックナンバー「パラドックス」、そして「猿の夢」、「イカロス」と演奏していくにつれ、ダイナミックな低音とビブラート、そしてしなやかなファルセットと変幻自在の歌唱力で存在感を放つ MORRIE の歌声は会場全体を魅了していく。そしてアコースティックギターを持ち歌う「Dust Devil」での「蘇るぜ!」の一言に、オーディエンスは過剰反応し「キャー!」という悲鳴を上げる。

白日夢の情景が眼前に広がるような「Sign」、哀愁を感じさせる情景を映し出すような「Disquieting Muse」 と続き、打ち込みのビートに乗せクラシカルなヴァイオリンが際立つ「Chrysis」のソロパートで真紅のドレスを纏った素足のダンサー柿崎麻莉子がステージに登場。繊細なアコースティックギターの響きに、ソプラノサックスが刹那に唸る「Goodnight Reverie」、キレのあるドラムとメロウで情熱的な歌詞の「Killing Me Beautiful”」と続く中、ダンサーはステージ端にある中2階のバルコニー階段を髪を振り乱し、転げ落ちるように舞う。猟奇的な危うさと絶望的、且つ激情的なパフォーミングにオーディエンスも息を飲むように見つめ、そして心を奪われているようだ。

ダンサーがステージから一旦去ると、壮大なスケールの楽曲「Unchained」を披露。バラード調ながらグルーヴィーなハードロックの要素を含む「Riding The Night”」では再び柿崎麻莉子が現れ MORRIE の周りで踊り続ける。まるでこの洋館に住み着いた亡霊のように…その舞は曲が終わっても続いていた。

そして 「パニックの芽」の途中で絢爛なエンペラージャケットを纏ったゲストの清春が歌いながらゆっくりと登場。低音パートを清春が歌い、高音パートをMORRIEが歌うという二人のアンサンブルで楽曲は色気づいていく。演奏が終わり、
MORRIE :「ゲスト清春!!清春はもう4回目ですよね。」と紹介。
清春 :「はい。来年もよろしくお願いします。」と。
MORRIE :「ちょっと水飲む?」とミネラルウォーターを清春に手渡し、二人でミネラルウォーターを口にするという和やかな場面も。
MORRIE :「こうやって一緒に歌うと、いろんなことが分かるんですよ。同じところに居るので波動の交換というか、ほんとに良い感じで。」清春 :「何度も来てしまってすみません。けど最近は、呼ばれるタイミングがすごく速いので助かります。安心というか、不安の長さが短くなるので。」
MORRIE :「じゃあ、来年もよろしくお願いします。そろそろ新曲やりたいよね。」
清春 :「新曲ですか…」
MORRIE : 「清春とは一緒に歌うとある種のスパークする感じが。わかる?そこが分からへんかなぁ・・(笑)。そこが面白いです。」
清春 :「スパーク!」と照れ隠しで呟き、観客も笑う。
MORRIE :「行きましょうか次の曲。(笑)」と。

そして切れ味のあるドラムと、エッジの効いたギターのリフが印象的なロックナンバー「ロマンティスト狂い咲き」で、二人が肩を組み前に出ると、再び大きな拍手と声援の悲鳴が上がる。

清春 :「4回目にして初めて僕、(肩を組みに)いきましたよ。」
MORRIE :「毎年2曲しか歌わないんですけど、今年は3曲。The Godsendは僕の曲じゃなくて彼の曲になっているからね。それでもカッコイイ。」
清春 :「何があろうとも、ファンの人に来るなと言われてもまた来ますので。」
MORRIE :「来てくれていい。気つかわんで。じゃあ、あと一曲やります。」と、
MORRIE と清春の、最大の魅力の一つである、艶のある妖艶な歌声と圧倒的なシャウト、そのヴォーカル魂が心を揺さぶる、DEAD END の
「The Godsend」を披露。場内は最高の盛り上がりを見せる。日本のロック界を牽引する偉大なミュージシャン、MORRIE と 清春 。互いのそのカリスマ性、艶やかなソウルがステージで炸裂した。最後にハグを交わし清春がステージを後にすると、「清春!!」という大歓声と大きな拍手が場内にしばらく鳴り響いた。

MORRIE は仕切り直して、妖しげなアルペジオから激情溢れる激しい「真昼の揺籃」、ドラム&ベースの切れ味が光るハードコアナンバー「Go Under」、ファンキーでダンサンブルながらインプロビゼーション的な「SEX切断」、エキゾチックなギターソロが強烈に響く「破壊しよう」、腰にくるグルーヴィーなサウンド「ファルスよ永遠に」を連続で奏で、ラストに疾走感のある打ち込みと繊細なシンセ音、洗礼されたサックスからなるアーバンな「眩暈を愛して夢を見よ」を演奏。会場を見渡すと全てのオーディエンスが、最高潮の波に酔いしれていた。

その後、鳴りやまない拍手と「アンコール!!」の声が会場に響き続けていると、MORRIE とメンバーが再びステージに登場し、MORRIE の高音が伸びやかに聴く者の心を奪う「Cosmosの中に」、大切な人に会う時の切ない想いがが溢れ出ているポップチューン「あの人にあう」を演奏し再び退場。

2回目のアンコールでアッパーな「犬」を披露した後のMCで MORRIE は、「51周年ですよ。」と言うと、会場からはバースデイを祝う拍手と「おめでとう!!」という言葉があちらこちから飛び交う。

「おめでとうって肉に言ってるんですか?肉体と精神は別ものですからね。・・・自分が自分になった始まりを知らないでしょみんな。死んだ人もいませんよね?始まりと終わりがないんですよ。永遠とは、これいかに。実感してくださいね。これを実感するとね・・・・あとはより良い音楽を作って、みんなこうやって集まってくれて死んでいけたらいいなと思ってます」と想いをオーディエンスに伝え「ここではないどこか」を最後に歌い上げ3時間の重厚なステージは幕を閉じた。

文=J K / 写真=Ooshima

MORRIE Solo Live 2015 “HARD CORE REVERIES”「To Nowhere」
2015年3月4日 東京キネマ倶楽部

01. 春狂え
02. パラドックス
03. 猿の夢
04 . イカロス
05. Dust Devil
06. Sign
07. Disquieting Muse
08. Chrysis
09. Goodnight Reverie
10. Killing Me Beautiful
11. Unchained
12. Riding The Night
13. パニックの芽
14. ロマンティスト狂い咲き
15. The Godsend
16. 真昼の揺籃
17. Go Under
18. SEX切断
19. 破壊しよう
20. ファルスよ永遠に
21. 眩暈を愛して夢を見よ
Encore 1
22. Cosmosの中に
23. あの人にあう
Encore 2
24. 犬
25. ここではないどこか

【ライヴ情報】
CREATURE CREATURE
“Ears of Babylon”

2015年06月19日(金) 渋谷 TSUTAYA O-WEST(東京)
2015年06月09日(火) 西川口 HEARTS
2015年06月13日(土) 心斎橋 VARON
2015年06月14日(日) 心斎橋 VARON

MORRIE
ONE-MAN SHOW “SOLITUDE”

2015年04月29日(水) 名古屋 JAMMIN’ Episode 1: 始めにことばありき
2015年04月29日(水) 名古屋 JAMMIN’ Episode 2: 千億の分身
2015年05月01日(金) 大阪 MUSE Episode 3: 夢の血を飲み干して
2015年05月09日(土) 横浜 O-SITE Episode 4: 優しい春の闇

Information : MORRIE official web site