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AUTO-MODインタビュー。9年ぶりのアルバム「祈り」についてGenetとYukinoが語る。

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1980年に結成され、BOØWYの布袋寅泰や高橋まこと、PERSONZの渡邉貢、レベッカの友森昭一を輩出したことでも知られる日本のポジパン、ゴシック界の重鎮バンドAUTO-MOD。ビジュアル系バンドの数々をはじめとして、日本のロックシーンに与えた影響は計り知れない。1985年11月3日に後楽園ホールにて伝説的な「時の葬列・終末の予感<最終夜>」で解散した彼らであるが、1997年にヴォーカルのGenetを中心として再結成。以降、ゴシックイベントTOKYO DARK CASTLEを立ち上げ、バンドやDJ、VJを巻き込んだ大掛かりなアンダーグラウンドパーティーを100回を超え精力的に開催している。そんなAUTO-MODが、前作アルバムのリリースから実に9年ぶりとなる新作『祈り』を11月13日にリリース、それに先駆け10月19日には「時の葬列~方舟の章 Vol.6」にて先行発売を行う。そんなAUTO-MODの中心人物であるヴォーカルのGenetとギターのYukinoに新作アルバムの話を伺った。

liveikoze : 前作『CELEBRATION』から9年の間が開いたわけですが、今回このタイミングでアルバムリリースに至った経緯というのはどういったものだったのでしょうか。

Genet : そろそろ出さないと、お迎えが来ちゃうからね(笑)まあ、今まで出せなかったというより、出すきっかけがなかったというか。

liveikoze : 今回リリースに至った直接的なきっかけというのは何かあったのでしょうか。

Genet : 今までゴスということでやってきたけど、TOKYO DARK CASTLEを続けるので一生懸命だったし、TOKYO DARK CASTLEもやめてAUTO-MODも解散しようかなという気持ちが2年前くらいにあって。でも、ちょうどその頃に世の中の成り立ちや世界の構造に興味を持ち始めて、色々調べていったら、簡単なことなんだけど「えっ?」っていうことがいっぱいあって。こんなことが分からなかったの?ということを考え始めたら、長年生きているこの世界の成り立ちが分かりだしてきたら、色々なものにインスパイアされて、インスピレーションも湧き出して、一つのことに留まらず、色々なことに繋がって、自分たちの音楽にもそれが繋がってきて。ゴスとかポジパンといったものに拘わったところではなくて、パンクの原点に、王道に戻って社会にそれを発信しようと思ったのね。まあ、王道といってもこの発想自体がとんでもない発想だから、王道ではないのだけど(笑)

liveikoze : 陰謀論と揶揄される要素がある部分でもありますね。

Genet : うん。でも、そういうことを伝えようと思った時に、やっぱり成り立ちはAUTO-MODなんだよね。AUTO-MODになっちゃうというか。昔の曲も視点をちょっと変えると、全部が全部繋がっちゃう。デストピアもしかり、イースタニアもしかり、フレンドもしかり。なんだかんだそんな曲ばっかりだった。当時ははっきりした答えが出ないまま、日本という国から自分達の意識の中で独立していけばいいんだ、ということで幻想国家イースタニアと言っていたわけだけど、実は今になって読み解くと、イースタニアこそ日本のことだったんじゃないか、と。日本の真実を解き明かさなくては、これは自分のパンク人生をかけて頑張らなくてはならないな、と。AUTO-MODの過去の作品とは全く違う発想になっていたつもりなのに、過去の作品と完璧にリンクしてしまうし、パンクの原点に、ロックの原点に戻っている。だから今回のアルバムは聴く人によっては、60年代から70年代のロックを思い出す人もいるだろうし、未来的なものを想起する人もいるだろうと思う。

liveikoze : ex.ZI:KILLのEBYさんがAUTO-MODに加入したのが2017年10月ですので、今のメンバーになってちょうど2年でもありますね。

Yukino : さっきの原点回帰の話もあったけど、それなら安定した演奏技術があるメンバーでっていう。今のバックはチームワークいいでしょ?

Genet : 今回のアルバムにしても、ライブでやったことがあるのは1曲だけで、残りの曲はレコーディングに入る前に渡して後はできるだろう、ってやったもんね。

liveikoze : 曲作りはGenetが原案を考えて、それにメンバーがアレンジを加えていったんでしょうか。

Yukino : うん。今回は完全にその流れだったね。みんなやっぱりキャリアがあるから引き出しも多いから。