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VAMPARK FEST 2月18日 日本武道館

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VAMPS主宰のVAMPARK FEST初日、冷たい雨が降りしきる中、白い息を吐く長い行列が日本武道館へと続いていく。異色の色合いを放つ国内外の多彩なロックバンドが軒を連ねるインターナショナルなこのフェスは、どんなに色鮮やかでスリリングなステージを魅せるのだろうと、期待を膨らませたファンが全国から続々と詰めかけている。開場直後すぐにアリーナのスタンディングは満杯状態、1,2階席もあっという間に埋まっていく。オープニングを待ちわびるオーディエンスが見上げる先には、赤いパイソンを背景にVAMPARK FESTのバックドロップが怪しく艶やかに浮かび上がっている。

オープニングを告げるSEが鳴り響くと、あちらこちで悲鳴が上がる。ROUND1のアナウンスと共に鐘が鳴り暗転。真っ暗な場内に妖艶な赤と、刺すような青のコントラストが眩しいライティングが目を奪う。フェスの一発目を飾るのは、テキサス州出身の NOTHING MORE 。(Dr.)PAULの豪快なドラムが響く中メンバーが入場。「こんにちは武道館」と(Vo.)JONNYが叫ぶと会場には歓声が上がる。JONNYはステージ中央、マイクスタンド横に置かれたスネアとフロアータムの上に素足で勢いよく飛び乗り、軽快に踏み鳴らし始めるとライヴはスタート。新世代のメタル感あふれるラウドな爆音が痛快に駆け抜けると、自然にオーディエンスも拳が上がっていく。3曲目の「Bass Solo」では、ステージ中央のマイクスタンドに高く掲げて置いたベースを、両サイドから、(Ba.)DANIELと(Gt.)MARKが揃って一心に弾き、叩き、そこにさらにJONNYも加わり音を掻き鳴らすといった大胆な演奏で会場を引き込むと、最後はドラムを持ち上げたメンバーが交互に入れ替わり叩くという驚異的なステージが続く。ダイナミックな演奏に加え、圧倒的でエモーショナルなヴォーカル力、そしてなんといってもインパクトのあるライヴパフォーマンスでオープニングアクトに相応しいNOTHING MORE、その名の通り= “何よりも” エネルギッシュでへヴィな新星の登場に、場内の熱が一気に上がり歓声と拍手の中、幕は閉じた。

NOTHING MORE
01 Christ Copyright
02 Mr. MTV
03 Bass Solo
04 This is The Time
05 The Matthew Effect
06 Salem

ROUND2、[Alexandros] のメンバーが登場すると、アリーナはもちろんのこと1、2階席のオーディエンスも身を乗り出し黄色い歓声を送っている。[Alexandros]の注目の高さが充分にうかがえる場面である。「最後の最後までよろしく!最高の夜にしようぜ!」と(Vo. / Gt.)の川上が叫ぶとさらに黄色い声援が響き渡った。ギターのリフが特徴的でメロディアス&リズミカルな曲を次々と展開し「この素敵なフェスに呼んで頂いて感謝します」と。また「ちょっとはHYDEさんに気に入っていただけてると思うので….」と軽く笑いを誘い、「次ワンマンやるんで、武道館でお会いしましょう!次の曲は新曲です。」と川上が言うと再び歓声が巻き起こる。ラストに「ワタリドリ」を披露し30分のステージを駆け抜けた。前衛的ながらもオーソドックスなロックスタイルの要素も併せ持つ[Alexandros]。今後の展開と7月に開催される武道館ワンマンライヴを大いに期待したいバンドである。

[Alexandros]
01 Stimulator
02 Waitress, Waitress!
03 Kick & Spin
04 Dracula La
05 ワタリドリ

ROUND3、Gerard Wayの登場を待つ場内は益々歓声が上がり熱気を増していた。バックメンバーは白シャツに黒いネクタイで統一され、元MY CHEMICAL ROMANCEのフロントマン、Gerard Wayはシルバーアッシュの髪と黒スーツに赤紫のネクタイというスタイリッシュな出で立ちで登場。ピアノの旋律と歪んだ重低音で幕を開け、軽快なビートでGerardがタンバリンを持ち軽快に駆け回りリズムを刻むと手拍子が。イマジネーション広がる疾走感のあるナンバーでアリーナに渦が巻き起こる。輝く白いライティングで「BROTHER」が始まりピアノソロが美しいメロディを奏でると、Gerardは特徴的な歌声と幾度のフェスを圧巻してきた貫禄でオーディエンスを魅了していく。MCでは「またこの美しい日本に戻ってくることが出来たよ、僕も君たちを愛してるよ」と話し、カメラを客席に向け写真を撮るなど、そのアットホームでハートフルな人柄が現れる一幕もあった。その後もダイナミックなドラムとメロディアスなギター、美しいピアノの旋律、そしてへヴィなビートからバラードまで歌い上げるそのカリスマ性が光る圧倒的なヴォーカルパフォーマンスにオーディエンスは次々と引き込まれ、最後はTHE JESUS AND MARYCHAINの「SNAKEDRIVER」をカヴァーし大歓声と大きな拍手に包まれステージはエンディングを迎えた。

Gerard Way
01. THE BUREAU
02. ACTION CAT
03. ZERO ZERO
04. MILLIONS
05. JUAREZ
06. BROTHER
07. GANG
08. HOW’S IT GOING TO BE
09. MAYA
10. NO SHOWS
11. SNAKEDRIVER

FINAL ROUND ラストを飾るのはこのVAMPARK FESTを主宰するVAMPSだ。モニターに黒々しいドクロフラッグが浮かび上がり、鐘の音が鳴り響く。待ちわびた表情のオーディエンスは張り裂けんばかりの歓声を上げている。血を思わせる赤いライティングと白く怪しげに漂うスモークの中からマイクスタンドに旗を掲げた(Vo./Gt.)HYDEを先頭に、黒い衣装を身に纏い毒を帯びたパイレーツ達がステージへと殴り込んできた。オープニングは「REVOLUTION Ⅱ」。“BANG ON STOMP EVERYBODY!” 歪んだヴォーカルが叫びを上げるとオーディエンスも同様に“BANG ON STOMP EVERYBODY!”のコールでリターン。そして一斉に拳を上げる。HYDEが、「聞こえない!」と何度も叫びオーディエンスを煽り会場を更なる高みへ誘う。メンバーは軽快にステージを左右に走りながら、地鳴りのような爆音を奏でスピードを加速させ「LIPS」へと。

続くShampooのカヴァー曲「TROUBLE」ではノリノリでジャンプするオーディエンス、笑顔が溢れている。そして水滴のようにまばゆく白い光が会場全体を包むと一転、モニターに映し出されるヴァンパイアの映像美とステージがシンクロし幻想的な「VAMPIRE’S LOVE」。ピアノがしなやかで美しいクラシカルな音色を奏でるバラードで会場は静まり返り、艶やかで伸びのある歌唱力には、息をのみ見惚れて聴き入ってしまうほどだ。

その後の「AHEAD」「BLOODSUCKERS」「DEVIL SIDE」はキレのあるドラムと骨太のベース、エッヂの効いたハードなギターに艶と重厚感を加味したヴォーカル、圧巻のエンターティメント性に富んだステージングで会場を興奮とヘッドバンキングの嵐にしてあっという間の40分のステージは終了した。

アンコールで「今日は良かった。何が良かったってね、ドタキャンされなくて良かった(笑)。最初のフェス、寒い中よく来てくれたね。普通、嫌やもんな雨…情熱を感じるよね、またフェス出来たらいいな」とHYDEが話すと大歓声が上がり、最後「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」では、NOTHING MOREのメンバーも登場。会場全体がジャンプで拳を強く突き上げて会場が最も熱く大きな渦の塊となった。 「また明日会おうぜ!」とHYDEは投げキッスを会場に送りステージを後にすると、熱気でむせ返るオーディエンスの歓喜に満ちた声援はしばし会場に残響していた。

VAMPS
01. REVOLUTION Ⅱ
02. LIPS
03. TROUBLE
04. EVIL
05. VAMPIRE’S LOVE
06. ZERO
07. AHEAD
08. BLOODSUCKERS
09. DEVIL SIDE
EN
10. SEX BLOOD ROCK N’ ROLL

text:R HIRAKAWA photo:今元秀明 / 岡田貴之

VAMPARK FEST official web site
NOTHING MORE official web site
[Alexandros] official web site
Gerard Way official web site
VAMPS official web site