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犬神サアカス團 7月12日『 祝20周年!犬神まつり 千秋楽!』 TSUTAYA O-EAST

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犬神サアカス團が、5月22日の広島ナミキジャンクションを皮切りにスタートした結成20周年記念ツアー『祝20周年!犬神まつり』の千秋楽をゲストに人間椅子、J・A・シーザー&AsianCrackBandを迎え、渋谷TSUTAYA O-EASTにて華々しく開催した。まず司会の最鋭輝が軽快なトークで開会式を宣言し、犬神サアカス團がステージに登場。メンバーが一人ずつ20周年についてのコメントした後、国歌独唱ということでスペシャルゲストの大槻ケンヂがステージ上に迎えられる。突然のサプライズにオーディエンスも歓喜と驚きの声を上げて彼を迎えている。大槻ケンヂは犬神メンバーとしばしトークで絡んだ後、しっかりと国歌を歌いきり千秋楽の開会式は終了。そのあと人間椅子、J・A・シーザー&AsianCrackBandとステージは進み、ついに今回の大トリ、犬神サアカス團の登場である。幕が上がるとステージ上には犬神サアカス團20周年仕様のノボリ旗が四本赤い照明の中に。そしてオドロオドロしい語り部のSEが会場に流れ始め、怪しい雰囲気に会場が包まれた頃、三人の楽器隊メンバーが姿を現す。続いて凶子も登場し「皆さんこんばんは、犬神サアカス團です!盛り上がっていくぜー!」の掛け声とともに記念すべきライブは「光と影のトッカータ」でスタート。スポットライトに照らされ、正面を見据え歌う凶子。それとは対照的に、アグレッシブに動き回るベースのジンとギターの情次2号。オーディエンスもみんな祝福モードで両手を上げ歓声で応えている。メロディアスな「桜散る中」を演奏した後、凶子はMCで「あらためまして犬神サアカス團です!今日は犬神サアカス團20周年記念、犬神まつり千秋楽にお越しくださいまして、どうもありがとう!」と感謝の言葉と、今回のイベント出演者は自分の意見をごり押ししたことで、楽しくてしかたないということを、笑顔でオーディエンスに伝える。続く「平成デモクラシー」では凶子が手拍子でオーディエンスを煽ると、連鎖した会場中に手拍子がわき起こり、曲中のへい!せい!の掛け声にオーディエンスはへい!せい!と叫び、拳を突き上げて応えている。アメリカ国歌のフレーズで始まるスピーディーな「ビバ!アメリカ」では情次2号が勢い余って“こける”というアクシデントがおこり、MCで凶子に突っ込まれるという場面も。そんな笑いがあふれる会場に一転してスローな曲「いつか」を披露。憂いを帯びた美声でオーディエンスを酔わせた後、一気にアッパーな後半戦へと突き進んで「運命のカルマ」「DEAD END KIDS」「白痴」と立て続けに演奏していく。立ち位置を替えながら20年間の思いをぶつけるかのように、激しく動き回り演奏するジンと情次2号。オーディエンスもヘッドバンギングで、それに応えている。最後の曲の前に、以前からアナウンスされていたが、凶子は病気の治療のため活動を休止することをオーディエンスにキチンと告げ、「全身麻酔をする時、気道を確保するために通す管で、ノドが傷つくかもしれない」と医者に言われたと不安げに話し、会場に向かって「困るー!」と叫び会場の同意を求め、“約束のあの場所で、また会えるその日まで、この夜に結んだ絆を信じて待ってる”という歌詞が象徴するように、20周年記念の「絆」を演奏して本編は終了。アンコールが鳴り響く会場、突如スクリーンに重大発表の文字が現れる。そこには凶子を除く三人のメンバーで『犬神サアカス團Z』を結成し9月にライブを行うことと、「約束の場所は12月7日 O-WESTで」という意味深な言葉が表示される。「皆さん見たー」と笑いながら凶子と三人のメンバーはステージに現れ、今後の活動を笑いを交えながら伝えていく。そして「必ず戻ってくるので皆さん気長に待っていて下さい。アンコール、この曲行くぞー!」と気合いを入れて叫んだところ、突然ハッピーバースデーが流れ、他の出演者とゲストがステージに登場。びっくりする凶子の誕生日を出演者、オーディエンス全員でお祝いするサプライズが。感極まった凶子は「私、友達いるでしょう。バンドっていいなー」としみじみ語り「皆さん、このままでアンコール演っちゃていいですかー」とそのまま「命みぢかし恋せよ人類」に突入。「最後にもう一曲演ります。そんなつもりじゃなかったのですが、なんか我々の決意みたいな曲になってしまいました」と「死ぬまでROCK!」を。ギターソロでは激しく髪を振り乱すように頭を振り、体がキツいはずなのにステージを左右に動き回りオーディエンスの声援に応える凶子。その姿を、ステージ後ろから満月のようなスポットが照らしている。曲が終わると、最後はメンバー四人で手を繋ぎ挨拶をし、会場中の手拍子に合わせ退場していった。しかしその手拍子は早急にアンコールの声に変わりいつまでも鳴り止まない。するとメンバーが再び登場。「暫くライブないからもう一曲やるよ!」「なに演ろっかなー?」「我々の代表曲“地獄の子守唄”を演ろう!」と「地獄の子守唄」を選び演奏し始める。凶子はまるで最後のステージかのように、言葉を噛み締めるように歌い上げ「あなたを愛しています」という歌詞と共に見世物小屋の千秋楽興行は無事終幕した。これから始まる犬神サアカス團Zの活動も、もちろん気にはなるのだが、病気を治療して万全の体制になった犬神サアカス團の復活公演が早く観れることを期待したい。もちろん気を長くして待つつもりだが。

文=R HIRAKAWA 写真=K FUJUSAWA , T SUZUKI

犬神サアカス團 7月12日『 祝20周年!犬神まつり 千秋楽!』TSUTAYA O-EAST

01. 光と影のトッカータ
02. 桜散る中
03. 平成デモクラシー
04. ビバ!アメリカ
05. いつか
06. 運命のカルマ
07. DEAD END KIDS
08. 白痴
09. 絆

EN – 1
10. 命みぢかし恋せよ人類
11. 死ぬまでROCK!
EN – 2
12. 地獄の子守唄

【 20周年を迎えたメンバーからのコメント 】

犬神明情次2号
結成20周年ということですが、実感も無いままバンドを楽しんでいたら、周りから20周年らしいと言われ、今に至っている感じです。ここで凶子の病気のリハビリのため一回お休みをしますけど、また復帰出来たら同じように楽しんで、まだまだ続けていくんじゃないかと思います。そしていつの間にか20年が経っていたというのも応援して下さる皆様がいらっしゃるからで、復帰出来たら変わらぬご支援を頂ければ幸いです。

犬神ジン
20周年ということで、一つの区切りであって節目でもあると思うのですが、今回ここで一区切りつけようとかは全く思っていないので30年、40年とこれから続けていけたらなと思っています。これからも応援よろしくお願いします。

犬神明
まさか20周年が来るとは思ってなかったので、それを迎えられたことに、まだ実感はないんだけど、あとあと沸いてきた時に、涙なしではいられないと思います。

犬神凶子
まさかこのバンドが20年続くなんて、メンバー誰も思ってなかったと思います。なぜならスケジュールがどんどん決まってしまって、辞めるタイミングとかまるでなかったからだと思います。でもそんな色々誘ってもらえるバンドで良かったと思います。これからも応援よろしくお願いします。