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AUTO-MODインタビュー。9年ぶりのアルバム「祈り」についてGenetとYukinoが語る。

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liveikoze : では、アルバム「祈り」の解説を曲毎にお願いします。

一曲目「Hymne à l’amour (Ai No Sanka)」

liveikoze : 1発目を飾る「愛の賛歌」ですが、この曲はGenetic Voo Dooの時にもライブでカバーしていましたし、Genet/Rock of Romance時代では愛の賛歌のさわりからFriendに入るということをやっていたので、ファンには馴染みのある曲ですが、今回は歌詞がオリジナルになっていますね。

Genet : 本当はね、越路吹雪が唄った岩谷時子の訳詞は原曲に忠実ではないんだよね。だから、今回歌詞を書くにあたって、全体として原曲に近いニュアンスにした。

liveikoze : エディット・ピアフの原曲では、愛のためなら世界が滅んでも構わない、というような退廃的な要素を含んだ内容ですよね。

Genet : 一個人をギリギリで表現したい、国だろうが社会だろうが関係ない。今の日本ってアメリカがあって、日本があって、個人があってという構造だけど、社会が認めなくても、愛さえあれば国も関係ない、そんなこと言われたくないねという。

liveikoze : 歌詞がそのようなドロッとした要素を含んでいるのに対して、演奏は非常にポップで面白いですね。

Yukino : 歌詞全体の世界はGenetが今言った通りなんだけど、言葉の一つ一つは非常にポップで分かりやすい。AUTO-MODだから、何か仕掛けやギミックが入りそうなんだけど、そこはあえて分かりやすいポップな、万人が聴ける演奏にして、Genetのメッセージが伝わりやすいように意識したんだよね。

liveikoze : この曲はライブでもお披露目済ですが、ポップでノリがいいのでフロアの反応もよく盛り上がりますね。

Genet : 映画的に考えると、幕開けは明るくはじまるのに、段々挫折していって最後はとんでもなくなる、という感じの昔の映画のように、アルバムの勢いをつける幕開けの曲だね。

二曲目「Halloween Song」

Genet : ハロウィンを選んだというのは、御存知の通り、我々AUTO-MODはTOKYO DARK CASTLEというゴシックイベントをやっていて、前身イベントのTOKYO GOTH & DARKWAVEの2000年の頃からまだ世間がハロウィンを認知する前から渋谷でハロウィンパレードもやっていて。

liveikoze : 当時、パレードしていたら警察呼ばれたりもしましたね(笑)

Genet : 二重構造をテーマとする本アルバムのきっかけとして、ハロウィンって何なんだろうって考えると、ドルイド信仰のサーウィン祭が起源だっていう説があって。ケルトのドルイド信仰なんかで使っていたとされるストーンヘンジを掘ったら沢山の骨が出てきて生贄だったんじゃないか、とか。それをカトリックが自分達のところに取り込むためにハロウィンとして容認したんじゃないかっていう話があって。でも、容認するからといってお化けの格好をしてカトリックがやっているというのも不思議な話で。現代でもサタニストと呼ばれる人達はいるわけで、サーウィンとして彼らは子供を誘拐したりすることもあるらしくて。日本ではハロウィンは大人がみんな楽しんでやっているけど、本当はハロウィンってそういう要素があるんだよ?っていう。

liveikoze : だから歌詞の中でも「本当の事は内緒の話」って出てくるんですね。ただ、そういった二重構造を意識しないで聴くと、最近のTOKYO DARK CASTLEとかの若いファンには、分かりやすいAUTO-MODのイメージな曲でもあるかもしれませんね。

Yukino : 曲調とかもそうだね。

Genet : サタニズムと宗教というのは結構くっついていることもあるから気をつけろよ、という。

liveikoze : 中世の魔女狩りとかも、悪魔を信じぬ者は神をも信じぬ者である、と逆転してしまっていますよね。

Genet : どっちにしてもやられちゃうっていうね(笑)