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伝説のイカ天バンド、サイバーニュウニュウ 独占インタビュー。奇跡の再起動について語る。

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89年〜90年にTBS系で放送された「イカすバンド天国」通称「イカ天」に出演し、視聴者に圧倒的なインパクトを与え第13代グランドチャンピオンに輝いた サイバーニュウニュウ。92年のライブ中、メカ・エルビスの不慮の事故が原因で活動が休止となり、その後消息不明となっていたが、21世紀となった2015年、突如過去の作品の復刻と共に、前触れもなく再起動。

今回、メンバーと再起動の仕掛け人ともいうべきメディコム・トイ代表 赤司氏にバンド再起動の経緯、イカ天当時の裏話等を語ってもらった。

liveikoze : 突然の復活でびっくりしているのですが、今回の再起動の経緯を教えてください。

メカ・エルビス : 僕のところに赤司さん(メディコム・トイ代表)から「メカエルビス人形を作ることに興味はないですか?」というメールが来まして、「それは是非作りたいです」と返信してお会いしたんです。そしたら「どうせなら過去の音源も再発しませんか?」と。

レプリ・シン : もともと赤司さんがサイバーニュウニュウのファンでいらっしゃったんで。

メカ・エルビス : 昔の音源を発売するとなると、ほとんどの曲をシン君が作っていたので、連絡して許諾を得ないといけないということで20年ぶりぐらいに連絡をしたんです。興味ないかなと思っていたんですけど、一回会ってみようということになって、二人で会ってみると、サイバーニュウニュウ再起動計画書というものを作って持ってきてくれて。

レプリ・シン : 最初赤司さんにお話しを頂いた時は「過去の音源出してライブをやってくれ」ということだったんですよね。

赤司 : まず、シンさんの心模様が全く分かっていなかったわけですよ。メカさんとは「何か面白いことやりたいね」とか、ずっと話していたんですけど「レプリ・シンはどう思うか判んないですよ」と言われて。それはそうだなと。もし、もうサイバーニュウニュウに興味がないということなら、せっかくだから「一回、一夜限りの復活みたいなのはどうですか?」みたいな提案をメカさんを通じて最初に提案させていただいたんです。

liveikoze : ということは今回の再始動は赤司さんの思いから始まったわけですね。

レプリ・シン : まさにそうです。

赤司 : メカエルビス人形という意味ではそうなんですけどね。

メカ・エルビス : 本当そうです。

liveikoze : その話がなければ?

レプリ・シン : 多分絶対なかったですね。

メカ・エルビス : ないですね~。

liveikoze : サイバーニュウニュウ再起動計画書というのは、メカさんから話が来た後に作ったんですよね?

レプリ・シン : 最初にメカ・エルビスと赤司さんに「今までのことをやってお終いっていうのであれば、僕は遠慮させてください。でもその先、新しい音楽を作るのであれば参加しますよ」というお話しをさせてもらいました。それで赤司さんにちょっと面白そうだと思ってもらえて。こうなったということです。

liveikoze : 23年という時間が経っていますが、再起動するに関して何か思いはありましたか?

レプリ・シン : バンド活動が中断した切っ掛けが、メカ・エルビスのステージ上での事故だったので、とくに辞めようというのでもなかったので。仲は悪かったんですけどね(笑)。

メカ・エルビス : 23年連絡取り合ってないですからね(笑)。

liveikoze : 結構他の皆さんもそんな感じですよね。バンドを離れると連絡取らないみたいな。

レプリ・シン : そうですね。

メカ・エルビス : 僕自身ソロとかをやっている時にあらゆる場所で「レプリ・シンと再結成しないの?」と言われていたんですけど、そんな簡単にイベントとかで復活するとかいうのでは、ちょっと気が引けるというのがあったんですよ。ただ、今回赤司さんから頂いたお話しは過去の音源を全て再発するというものだったので、「これはもう絶対連絡しよう」と思って。

liveikoze : 赤司さんが仕掛け人ですね。マルコム・マクラーレン的な…

赤司 : いえいえ、ただ、いちファンとしてサイバーニュウニュウが大好きで。「未開派野郎」という最初のアルバムが、カセットでしか発売されてなかったんですね。それでたまに聴きたいなと思ってもテープは伸びちゃってますし、きちんとした音源で残しておきたいなと思ったのと、これはメカさんとお会いする前なんですけど、たぶん「秘密のバス」もメンバーはリマスターリングし直したいのではないかと勝手に思っていて。音圧が意外と低かったので。で、二枚アーカイブとして出せるものがあるのであれば、メカエルビス人形と一緒に出したいなというのが大きかったですね。

liveikoze : フィギュアもそうですけど、音楽としての再評価ということですよね。

赤司 : 80年代の後半に活躍していたアーティストの方々の音が再評価されている中で、「なんでサイバーニュウニュウがその系譜の中に出てこないのだろう」ということが、自分の中で納得いかなかったですし、ちゃんと出したいというのがあったので。

liveikoze : 時代的に少し早かったのではないでしょうか?

赤司 : めちゃくちゃ早かったですよ、サイバーニュウニュウは。今、突然出てきてもおかしくないバンドなので。ダフトパンクより20年早いぞみたいな。

liveikoze : わかります。コンセプチュアルですし。話は戻りますが、リマスター盤をリリースするにあたってはどなたが?

レプリ・シン : マスターテープが残っていなかったんですよ。でもデジタル音源のDATテープが残っていて。それは「未開派野郎」を出した後にDATを購入したので、DATに合わせて落としなおした物です。いわゆる世に出ていないリマスターリングなんですけど。だから23年前にあったということです。「秘密のバス」に関しても、CDの音源しかないので、そこから音圧だけを上げてということなんです。だからパーツに手を加えてということは出来なかったんですけど。

liveikoze : 今回のアルバムにはオリジナル音源も入っていますよね。

レプリ・シン : そうですね。敢えてです。

liveikoze : 珍しいですよね。聴き比べて欲しいということですか?

レプリ・シン : そうです。カセットはカセットの味みたいなものがあるので。

liveikoze : あの感じはまさにに80’Sですよね。「未開派野郎」は特にパンキッシュの要素が強いですし。

メカ・エルビス : カセットテープでは聴けなくなりますしね。あの質感で、CDとして半永久的に残したかったんです。

liveikoze : そういう思いがあったんですね。