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THE GROOVERS 藤井一彦が語る、ニューアルバム「Groovism」の全貌。

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日本屈指の3ピースバンド THE GROOVERS が6年ぶりとなるニューアルバム「Groovism」をリリース。普遍的でいて、最新鋭のスタイルと最強のグルーブからなるこのアルバムに収録された全楽曲について、バンドのヴォーカル&ギターを担当している藤井一彦に解説してもらった。

liveikoze : 今回の「Groovism」は前回のアルバム「ROUTE 09」から6年ぶりのリリースになるわけで、結構時間が空いてますよね?

藤井一彦 : それ必ずみんなに聞かれるんだけどね(笑)。

liveikoze : 6年は結構長いですよね。

藤井一彦 : 毎年オリジナル・フル・アルバムを出すとかっていうのは、今は難しいバンドが多いんじゃないでしょうか。特にインディーでは。もう90年代のようにはいかなくて。

liveikoze : 「Groovism」のアルバムコンセプトは?

藤井一彦 : コンセプトはいつも無いです。

liveikoze : 無いんですか(笑)。じゃあライブでやってきた曲をそのまま…

藤井一彦 : そうだね、テーマとか決めたアルバムは今まで一枚も無いしね。

liveikoze : そうは言ってもアルバムには凄く統一感を感じたのですが。

藤井一彦 : サウンドにはあるけど、全体のテーマみたいのは無いです。サウンドは今までよりは聴き手に近い音像にしようというのはあったんだけど、「今回は◯◯について歌おう!」みたいなのは無いです。

liveikoze : アルバム全体を通して聴いているとロードムービーを観ているような錯覚に陥るのですが。

藤井一彦 : あ、本当? そう言われるのは嬉しいです。

liveikoze : なにか"孤独の美学"的なニュアンスも同時に感じて。

藤井一彦 : 映像が浮かぶような詞は好みだから、書きたいなと思いますけどね。

liveikoze : 断片的に凄くカッコイイフレーズがあって、言葉に拘りがあるのかと。韻もきちんと踏まれているし、凄く文学的な要素を感じました。

藤井一彦 : 書き方には拘りというか好みがあって、それにそって書いています。さっき言ってくれたように映像が浮かぶようなものが好きだし、メッセージ云々より、詩的だったり文学的だったりするものが俺は好きかな。人の心を打つとか、共感とかは副産物的なものだと思っているフシがあります。

liveikoze : それでは「Groovism」の全曲解説をお願いします。

1曲目「無条件シンパシー」

藤井一彦 : この曲はギターリフから出来たんだけど、一小節リフが出来た時点でもう曲が出来たと思った。

liveikoze : 降りてきたんですね。

藤井一彦 : いや、リフ勝ちというか。

liveikoze : 歌詞に出てくる"LONER"というのは一匹狼のことですよね?

藤井一彦 : 登場人物として出演してもらっているけど、基本的には自分がシンパシーを抱ける人について書いてる感じかな。

liveikoze : サビで"なんてブルージー"と繰り返し歌われています。以前何かのインタヴューの時に、佐野元春さんが言った「ブルースを持っていない人はブルースを奏でてもダメ。それは悪くないんだけど少し足りない」ということに凄く共感できると言われていましたが、藤井さんにとってのブルースとは何なのでしょうか?

藤井一彦 : 言いましたっけ?(笑) 感覚ですけどね、あくまでも音楽的な。どこかに憂いが入るというか、能天気なことを歌っていてもどこか切なさがあるような…。フィーリングを口で説明するのは難しいけどね。それを持った音楽が好きで、逆に持ってない音楽は物足りなく感じるというのはありますね。

2曲目「EL DIABLO」

藤井一彦 : 「EL DIABLO」はどうだったかなぁ…。この曲は最初から、アルバムで一番アッパーな曲を作ろう!みたいな感じで作った曲です。他の曲はあまりそういうことは考えてないけど。

liveikoze : これこそロードムービー的というか。

藤井一彦 : 歌詞が?

liveikoze : カッコいいですよね。

藤井一彦 : 歌詞は、そうね、まあ映画的というか、そういうのがこの曲には合うかなって。

liveikoze : でも"偽りのデモクラシー"とか、今の時節的な部分にもリンクしているように受け取れたのですが。それは意図的にですか?

藤井一彦 : 意図もあるけど、洒落っぽくやりたかった。

liveikoze : 声高に叫ぶのではなく?

藤井一彦 : そうだね。"デモクラシー"は前の行の"まれに見る上物らしい"という部分の韻を踏むために書いてます。英語の歌詞の押韻とも微妙に違うけど。

liveikoze : さっき言ってた"結果的に"というやつですか?

藤井一彦 : そう、たまたま引っかかる人がいたらラッキーというか。そういう気持ちで書いてます(笑)。