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ROGUE 香川誠インタビュー。復活後、四半世紀ぶりにリリースしたNEW ALBUM 「REAL AGAIN」を語る。

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ボーカリスト奥野敦士の不慮の事故から奇跡的に復活を遂げた ROGUE が四半世紀ぶりにリリースした渾身のアルバム「REAL AGAIN」について、ギタリストの香川誠に語ってもらった。アルバム制作に至過程、そしてアルバムの全曲解説。また後半では昨年7月5日に開催されたイベントGBGBの時に伺った秘蔵インタビュー、出演バンドのPHOTOも掲載。

liveikoze : 今回のアルバム制作に至る流れを教えてもらえますか。

香川 : 自然といえば自然で再結成させてもらって、そこから先に進むっていうことを考えると、群馬で活動しているので地元のファンは今までのROGUEの過去のタイトルを演奏してもそれはそれで喜んで貰えてるとは思うんですけど、やる側としては新しいものをやらないと新たにまた4人が集まった意味があまりないだろうと思いまして。

liveikoze : そうですね。単発の再結成であれば持ち歌を演っていれば良いでしょうけど。

香川 : そうだと思うんですけどそういうことじゃなくて…GBGBも毎年続いているイベントですし、ホストアーティストとして毎回出るとしたら、尚更みんなが喜ぶ定番の過去の曲をただ演っているのも演歌歌手じゃないですからねぇ(笑)。まぁ一応何か新しいものを出さないとだめだろうってことはメンバー間でチラチラ出ていたんで、じゃあレコーディングしようかっていう話しになりまして。

liveikoze : 誰かが言い出したというわけではなくですね。

香川 : うん、まぁ特には。西山は最初から再結成をするとしたら新しいものを演ろうと言ってましたけどね。でも僕はその継続するための再結成を最初望んでいなかったんですよ。奥野が事故にあう前に声かけた時に一回だけ演りたいとは思っていたけど。
まぁそれだと過去タイトルで全然問題なかったと思うんですけど、その時も西山は再結成をするのであれば新しいものを作るべきだって話しをしていましたけど。まぁそれで事故があって奥野は基本的に群馬から出られないということで、レコーディングは物理的に難しいなっていうのはあったんですよ。東京、あるいはリゾートのスタジオで彼が何泊もしたり、往復をするとかっていうことは、実際問題として厳しかったので。最初のGBGBの時は正直あまりイメージも沸いてなかったですね。

liveikoze : 新しい曲を作る作ることにですか?

香川 : はい。当然曲なんて書いてないですし。ただ2014年に完全プロスペックのスタジオ「TAGO STUDIO」が高崎市の公共施設としてオープンしたんですよ。それで出来なくないじゃんってなって。

liveikoze : タイミング良いですね。では、この「TAGO STUDIO」ありきということですよね。

香川 : そうですね。

liveikoze : 「TAGO STUDIO」で録るということが決定して、曲を書いてというかんじですか?

香川 : なにか詰めて、部品だけだったモノを固めてとか。

liveikoze : アルバムには新曲が9曲入っていますが、今回収録しなかった曲とかもありますか?

香川 : 昔はね、僕も奥野も西山も曲を書くでしょ。そうすると一人が最低でも10曲ずつ持ち寄って、30曲以上集めてどれを入れようかとかなってたんです。もっと言えばアルバム毎にはコンセプトがあって、そのコンセプトに合うかどうかというところまできちんとやったりしていたんです。でも今回は決め打ちだよね。要するにノルマじゃないけど、「奥野何曲ぐらいだせる?」って感じで。

liveikoze : 9曲分を振り分けてという感じですか?

香川 : そう一人3曲。西山は奥野に歌詞書いてもらおうぜって言って。奥野は歌詞を書いてたけど。

liveikoze : 全ての歌詞を奥野さんが?

香川 : 僕は自分の曲は自分で書いてる。

liveikoze : 奥野さんの曲は奥野さん自身で書いて、西山さんの曲はというと…

香川 : 西山の曲に関しては、西山は奥野に書いてもらうって言ってた。

liveikoze : そうやってキッチリ作ったんですね。

香川 : そうですね。昔はオクラに入る曲だろうなって思って出してた曲もあったんですけどね。

liveikoze : 分かります(笑)。

香川 : 要するに揃えるために(笑)10曲っていうのを揃えるために。微妙だな…これなら…なんて言いながら。

liveikoze : まぁ最初からこれは”ボツ”って自分で決めてる曲ってありますもんね。

香川 : そう。混ぜてたりもしたけど、今回はそういうことはなくて。

liveikoze : 自信をもって出せる3曲と捉えていいんですね。

香川 : うん。良く言えばね。実際こうなるとちょっと自画自賛でさ(笑)ちょっと変な話しなんだけど、良い曲だと思うんだよね。要するに才能がまだ赤字じゃなかったっていうか。まだ大丈夫じゃない?っていう感じ。

liveikoze : 枯れるというとか、そんな不安があったりしたんですか?

香川 : アンサンブルしてみないとわからないものってあるじゃん?

liveikoze : はい、そうですね。特にバンドは。

香川 : 例えば竜さんがドラム叩いて、西山がベースを弾いて、俺がその上にギターをのせて、奥野の声がのるっていう作業を24、5年してないわけだから。

liveikoze : また最初から築き上げなければいけないみたいな感じですね。

香川 : そう、これが本当にハマるのかなとか。

liveikoze : 演りだしていくうちに思い出したりしませんでしたか?過去の曲作りはこんな感じだったなとか?

香川 : うーん…いや、他のメンバーは分からないけど、僕は作業上なかったかもしれない。レコーディングってベーシックがあって、足し算の作業だという錯覚から入っているから。僕はギターだから音が鳴って和音が出て、フレーズというものが僕の役目だとしたら、こんなリフを入れて、こんなフレーズが入ってとかっていう全て足し算だったんだけど、今回はほぼ足し算では考えてないんですよ。いい感じに歳をとってプロデュースワークとか音楽の世界で仕事をしていると、無駄を削ぎ落とすことを自然とやっていて。そうすると自分が演る時も、「これいらない」っていうのが最初から分かってくるんですよ。それで演ってるから昔のような、これがこうでとか感覚的なレコーディングはなかったです。

liveikoze : プロデューサー的な役割は主に香川さんが?

香川 : いやいや全然。サウンドプロデュースみたいなのは皆でやったのかもしれないし、僕はわりと西山を頼ってたから。「これどう思う?」とかって。

liveikoze : では完全に皆で、ああでもないこうでもないという感じですね。

香川 : 僕は同時にジャケットとかもやったり、いろいろ役回りが多いもので(笑)。

liveikoze : アルバムジャケットのデザインは香川さんですか?

香川 : いや、デザイナーはいるんだけど、OKを出したりとか、この写真を使う使わないとか、メーカーとやり取りとかをするのは僕なんで。

liveikoze : リリースは今回メジャーレーベルからなんですか?

香川 : いや、流通だけキャニオンさんがまたやってくれて。僕らはインディーレーベルじゃないですか。だから別にインディー流通でやっても良かったんだけど。まぁ一応…で、頼むとなると何かがあった時にクレームがキャニオンさんに行くわけですよ。だから細かいことを本当詰めなきゃいけなくなるわけです(笑)。

liveikoze : なるほど(笑)。

香川 :「大文字と小文字が混在していますけど、香川さんどうなんですか?歌中は大丈夫なんですか?」みたいな…いやまぁ歌詞カードだからさぁ(笑)というか、もう歌詞カードなんてあんま関係なくない?っていうか。みんな音を聴いてんだからね(笑)。

liveikoze : でもやっぱり買う方としては、あれ?誤字脱字?みたいな(笑)。

香川 : 本当細かいなぁみたいな(笑)そこはキッチリやりましたけどね。