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6月1日にセカンドアルバム「Intuitionistic logic」をリリースした『 vez 』のボーカル高木フトシがアルバムの全貌を語る。

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L iveikoze( 以下 L ) :「vez」を初めて知る人のために「vez」というバンドについてお話を聞かせてください。

高木フトシ( 以下 T) : 結成の切っ掛けは「HATE HONEY」が解散したあと一人で弾き語りをやってたんだけど、ブラックシープっていう曲が出来た時になんかこの曲はバンドでやる感じかなと思ったんだ。当時、音楽を辞める辞めないとかっていうものもあったんだけどね。そのブラックシープが出来た時に、オレの周りにいたヤナさん(現在vezドラマー)とヒデオ(FOX LOCO PHANTOM)と一緒に飲んでいた時に、バンドをやりますか?みたいな話になって。今だと忘れちゃったけどなんか凄い軽いノリで始まったんだよ。遊び半分だったのかな。まあ楽しくやれりゃ良いや的な感じで。だから初ライブは仙台で(笑)初ライブ仙台っておかしいじゃん。で、やってくうちにミツも入って、音源作って、ヒデオが辞めて、石川入ってみたいな。

L : そこからが「vez」第二期になりますよね?

T : そう第二期だね。始めたはいいけどノリは一緒で、アー写とかも写メでいんじゃね、とか言ってガラケーの写メだよ。それをよろしくお願いしますっていって、ライブハウスに送ってる訳よ。(笑) 変わらず、活動は適当で。でも、段々とライヴハウスの店長の期待感とか、お客さんとかの感想に対してマズいなって思い始めたんだよね。ちゃんとしないと最低だと。それで、3人に辞めようと伝えて。で、次にバンドやるならばって、、、ずっと考えてて。そんななかでも、それぞれはそれぞれの音楽活動があったから。考えてはいたけど、、、

L : 今度こそキチンとしたバンドをやろうとしていた訳ですね。

T : ちゃんとやるしかないよね次は。数少ないお客さんの為に。それで考えに考え抜いて、たどり着いたのが成一君だったんだよね。成一君と一緒に飲んで、いい感じだったからヤナさんに話をしたんだ。そしたらヤナさんもOK。で、あとはギターだと。そうなったらもうアサキチしかいないと。

L : それ以前にアサキさんとはいろいろやっていましたよね。

T : アサキチが「鴉空」に参加したり、「タイラーガーデン」名義で一枚だけ音源を一緒に作ってたりしてたんだけど。基本飲み仲間だから(笑)。飲んでる時もあいつはやたらと「vez」のギターがどうこう言ってたんだけど、オレは「へー」って言ってたわけ。でも成一君がベースだったら、やっぱりギターもそれなりに存在感のあるヤツじゃないとダメかなって。それに作曲面、アレンジ面、あとオレの唄のことも分かるとなると、もうアサキチしかいなかったわけ。それでアサキチに話をしたらOKが出たんだけど、BUGのことがあって、あいつも大変になっちゃうんだよ。OK出してから合流まで2年半くらいかかったのかな。だから2010年からオレと成一君はエアバンドをやってたの(笑)。でもその2年半の間に、流石にアサキチは、もういいかって何度もなるわけ。違う奴を探そうって。それで色々な人に声をかけたの。「vez」やんないかって。みんなやってくれるって言うんだけど、なんかしっくりこなくてさ。

L : 何人かと一緒にスタジオに入った訳ですか?

T : 入ってない。話だけ。エアバンドはあったけど、スタジオに入ったのはアサキチだけ。でもいい加減頭にきて(笑)、ある日スタジオを押さえたわけ。「オレ、成一君、ヤナさんで、もうスタジオに入るかんな」ってアサキチに言ったんだ。そしたら来たのよ、アサキチが。新曲6曲持って。音を合わせたら、もうバッチリだった訳で、やっぱり良かったなこの4人でって。

L : ついにメンバーが揃い、やっとリスタートとなったわけですね。

T: うん。「vez」もそうだったんだけど、オレらくらいの年齢になると、ライブやレコーディングがあるからリハに入るって感じになっちゃうんだよね。だから4人で始める時に「ライブやレコーディング関係無しに、キチンとコンスタントにリハに入りたい」って言ったんだ。ライフワークとして、リハがありバンドがある。そういうバンドがいいって。オレはそれこそが、プロフェッショナルだと思ってるんだけどね。だってライブ前に、たった2時間くらいリハをやって、ステージに立ちライブを演ったって、バンドとしての塊なんかぜんぜん無いぜ。再結成バンドとか観てて思うけど本当に塊なんか無いじゃん。全ての再結成バンドがそうとは限らないけど。

L : バンドとしてとても正しいと思います。

T : でしょ。みんな口では言うじゃんバンドはファーストが一番いいとか、前に来日した時のほうがいいって。そのくせ自分達がやるときは、金の面とかいろいろあるから、ライブ前に集まってチョロっとリハやって、それでライブを演るわけじゃん。ロックバンドって”カス”で、くだらない人間の集まりなんだから、そんな奴らがちょこっと数時間のリハで計算して塊なんか作れる分けないんだよ。オレら全員不良なんだから。それをみんな出来ているって勘違いしているんだよね。本当間違ってんだよ。みんな常に命がけの奴らがやる、命がけのライブが観たいわけで、今日ここで人生終わってもいい奴らが、演るっていうのがロックバンドの価値観じゃん。

L : それは高木フトシのバンドに対するアイデンティティーですか?

T:そう在りたいっていうね。そう在りたいよ。