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6月1日にセカンドアルバム「Intuitionistic logic」をリリースした『 vez 』のボーカル高木フトシがアルバムの全貌を語る。

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L : 「Intuitionistic logic」というアルバムタイトルについて教えてください。

T : 直観主義論理。数学用語で直観主義論理っていうのがあって、単純に凄い面白いなって思ったんだよね。答えが間違っていたとしても。

L : それは、今回のシングル、アルバムを通して直観的にということですか?

T : 「1+1=2」というものがあって初めて直観主義論理であるっていうか、惑星の配列というか、宇宙の太陽系から始まって「1+1=2」だった。だけど最後の曲で「杼」というのがあるんだけど、織物の織り機の横に糸を通す道具で、英語だとシャトル。スペースシャトルのシャトルね。人間国宝の志村ふくみさんという染織家の人のドキュメンタリーを、たまたまTVで見たんだけど、そしたらこれだーって思って。一瞬にして全部感じちゃったんだよね。その時、オレは”the beautiful sky”と”Array of planet”を書いていて、答えが出なくて悩んでいたんだけど。地球上にある色は宇宙の中、自然の流れで繋がっていると。命から色を頂くって。まさに”Array of planet”。人工的な染料は脱色出来るけど、木や草から染めたものは脱色出来ないって言うわけ。それスゲーなって思って。オレも脱色出来ない人間になりたいと思ったわけ。髪の毛脱色してるけど(笑)。

L : それは脱色ではなく、何者にも染められたくはないと言うことではないでしょうか?

T : 染まろうが染まらなかろうが、この世界から命を貰うっていうことの意味。繋がって行けば見えてくるみたいな。人の細胞は同じだし遺伝子も親から貰ってる。

L : 言ってしまえば全ては単純ということですか?

T : そう凄く単純だと思う。「1+1=2」だからさ。(笑)

L : 自分なりの結論を導きだすために勉強は必要ということですか?

T : そうだね。たぶん。

L : アルバムの曲について聴きたいのですが。1曲目の”Sense of you”

T : まさに今の時代人間の感覚は、第六感どころじゃないらしく、、、。それが科学的に分かってきたりしているわけ。例えば霊とかそういうのも科学で証明出来るようになっていて、神経学的なところから脳がいかにして霊を作り出すかの解明もしている。でも、人間の持つ感覚で話さなくても分かるとか、あうんの呼吸とか、そういっちゃえば何となく納得するけど実際は納得出来ないじゃん。

L : それは感覚的なものだと思うのですが?

T : それなんか間違ってるかもしんねーじゃん。

L : でもそのことで色々なことが起こるのではないでしょうか?

T : そこは戦わなくてはいけない。コミュニケーションてやつは。だからそれはなんかつきぬける強さを持ってなきゃ駄目だし。今の人間にとって一番それが動かす理由でもあるし。誰もがね。その何かを感じたりするわけだし。例えばオレはオマエのことが好きだとか思ったりするから動くわけでしょ。

L : ようは全ては自分の感覚で考えて動けということですね。

T : そう。でも詩を読んでもらえれば、それだけじゃないことも分かってもらえると思う。凄く前向きだから。何度でも戦う”to fight again”っていう。そこから始めたかったんだよこの「Intuitionistic logic」は。

L : 2曲目の”Neon”

T : “Neon”はもう単純にネオンって言う。。ネオンてガスがあって、その儚さっていうかなんか人の意識と似てるなって思うわけ。「もしそうなんであれば」とか、「きっとそうだと思う」とか …人が人と対峙した時に思うような感じに似てると思って。それに色がつくと華やかになるじゃん。ちょっと淡い感じが人の心にも似てんなって。人によって色が違うしね。

L : 数ある元素記号の中でなぜ”Neon”を選んだのですか?

T : 元素記号を勉強していて単純に引っかかったんだよ。”Neon”のPVで元素記号の表が出てくるんだけど、あれ下に行くにつれて質量が重いの。数字が大きくなるにつれて。それがプルトニュウムとかウランだったりするんだけど、そういったメッセージに繋げたかったってのもある。曲的には原発とかは関係ないけど、何かを思って欲しい。単純にネオンの元素記号をNeにとらえることで、放射能ってものも元素記号でとらえられる。そのことに目を向けてっていうか「1+1=2」の論理で原発のことも。副産物のセシウムも。

L : “Neon”は包み込むような感じの曲ですね。

T : 唄い方一つとってもなるべく人の感情に作用しないように持っていきたかったんだよね。ただそこに存在するだけ。PVでもそうだけどオレら4人はそこに座っているだけ。物事の全ては元素だって。オレらはそこにいるだけで、みんなも同じだっていうこと。上下の幅がないね。ネオンの詩も上下の幅が無いようにしたんだ。

L : PVにネオンを選んだのはなぜ?

T : ヤナさんが「メンバーが良いと思う曲とスタッフ やお客さんが良いと思う曲は違う」って言い出して。だからメンバーが決めないほうが良いと。だけどオレ的には時間がないわけじゃん。スタッフに決めてもらうのは良いけど、きっと決まんないぜって思ってたの。だけどヤナさんがいうことも一理あると。で、スタッフに7曲の中でどれをパイロットとしてやるか多数決で決めようって。でもPVの撮影が迫ってもなかなか決まんなくて。どの曲で撮るのってなったとき閃いたのよ。CGが良いかもって。今回テーマは同じだから、どの曲になってもPVの方向性は同じだし。オレは”Sense of you”が良かったんだけど、みんなから出てきたのは”Neon”だった。”Neon”はオレの曲じゃん。たまたまアサキチが曲を持ってくる予定だったんだけど、忙しかったらしく持って来れなかったのよ。じゃあ、リハ4時間どうするってなった時に、その場で作った曲なのよ。ヤナさんは前から言ってたんだけど、なんにも考えないで適当に作った感じの曲がみんなは良いって思うもんだってって。で、みんなから”Neon”が出て来た時にオレ、ドキッ!としたわけ。マジかー、ヤナさんスゲーって思った(笑)。