vez インタビュー。絶望から始まるニューアルバム「Salary Bay」の全貌。
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liveikoze:「Array of planet」と「Intuitionistic logic」は二枚で一つと言っていましたが、その後にリリースした「GHOST」の立ち位置は?
高木 : 「GHOST」もその中の一つだよ。「GHOST」はスーパーコンピューターについて勉強してたし。
liveikoze : このままいくとコンピューターによる管理社会が出来上がってしまいそうですしね。
高木 : 仕事もね。それは資本主義の国家でいずれ人が人を売るようになる。それはすでに始まっているような気がしていて.。「GHOST」というか、「CODE : Fa」の方が今は合うのかな。今は「CODE : Fa」の詩の方がしっくりくると思う。
liveikoze : 今回のアルバム、途中までは結構重いですよね。
高木 : あぁ・・・重いかもしれない。なんせ絶望から始めてるからね(笑)。
ASAKI : (笑)。
liveikoze:五曲目の「Cut slider」まで、ヘビーですよね。
高木 : ヘビーだね。ここまでヘビーなのは「hell’s kitchen 」(THE HATE HONEY 2nd アルバム)以来だね。「hell’s kitchen 」と同じくらい詩は落ちたね。
liveikoze : 「Spinner」での ASAKI さんのギターは印象的ですよね。
高木 : あれ、最高だね。
liveikoze:イントロの入り方は、意図して?
ASAKI : もちろん。
liveikoze:曲に関しては?
ASAKI : 一曲単位で考えたら、今回はあんまりなくて。アルバムを作るのにあたり、最初フトシにテーマ的なものを聞いたら、凄い大ざっぱに"表裏一体"という単語が 出て、音的なイメージで"表裏一体"ってなんだろうとすごく考え個人的に本を読んだりとかして。例えばビートルズに「Hello-Goodbye」という 曲があるんだけど、あれの歌詞も"ハローとグッバイ"で、ポールがこんにちは、さようならという対立で、B面はジョンの「I’m The Walrus」。ポールが対立で、ジョンが同化を歌うという。そういうのも表裏一体だよなと。音だけで言うと、それをどう表現すればいいんだろうと思った ときに、左の音と右の音がまるっきり違う"モノ"だなと思って。何なら俺が一本、フトシが一本、パキッとするように決めて取り組んだんだけど、キャリアと 無駄な知識が山ほどあるから一曲の中に3パターン、4パターンとバンバン入れていき、酷いときは30チャンネル以上使って構築したんだけど結果「いらねーよ」ってなって…俺も俺で音だけかもしれないけど、すごい落ちちゃって。大変だったんだよ、でもそうまでしないと、このアルバムは作れないな、と思ったね。
liveikoze : ある種、作り手もヘビーな状況に追い込まれると。
ASAKI : でもその中で嘘をつきたくなかったから。いかに等身大で表裏一体なものでよりクリアにさせていくか。それが今回俺の一番のテーマで、それは今までやったことないくらいの領域で、痛めつけるという訳ではないんだけど。それがすごくアートだなと感じて。今回全曲そうなんだよね。
liveikoze : 絶望に満ちたアルバムということですか。
高木 : 満ちてはいない。絶望から始まっただけであって俺はちゃんと解決してるよ、「夜虹」があるから。
liveikoze : だから「夜虹」が入っているんですね。
高木 : そう。俺の中で「Spinner」が出来た段階でどうしても必要だったの。「夜虹」があれば後はアルバムとしてなんとなく…今回のイメージがあったというか。それで中東の話しを踏まえた「目には目を、その手に花束を」があれば、ロックアルバムとしてさらに分厚くなると思って。
ASAKI : 一曲目に関して俺は"cry for you"という単語に惹かれて、悲鳴に近いギターを表現したいと思って。
liveikoze: バッチリ表現されていると思います。では二曲目の「Dry hatred」。
高木 : 「Dry hatred」はもう、ニルヴァーナですよ。ニルヴァーナとヘルメットみたいな。俺の中ではそういうイメージ。
liveikoze : 詩に関しては。
高木:詩に関して「Spinner」からの流れというか、ISILに世界中から人が集まってたりして、俺自身は戦争体験者じゃないし、目の前で自分の家族が殺されたり、レイプされたりとかを経験してない思って。それを俺なりに表現してみたというか… 落ちたら落ちたで良いこともあるだろうけど悪いこともある。生きる上では仕方のないこともあるよ。そういうのも全部含めて、さっきも言ったけど俺は何が良いか悪いかが分からないから。それでもそれは無いだろ?ってとかはあるじゃん。
liveikoze : それはみんな自分の基準で考えてる判断すると思いますが。そういう基準はないですか?
高木:でもその人の事を考えれば、その人が今、どんな思いで生きているのかは分からない。だけどそれでも生きる上での指針みたいなものが…その思いの歌ということかな。
liveikoze : 高木さんの歌詞で祈りとかは、あまりないような気がしたけどあったかな?
高木 : ソロではいっぱいあるし。「Death strar」でめちゃめちゃ祈ってるけど俺は(笑)。
liveikoze : そうでしたね(笑)。ではこの曲の音的な部分ではどうですか?
ASAKI:アングルからいうと全員無呼吸だよね。一糸乱れぬリズムをいかに叩きだすかという。気を抜いたら乱れるよね(笑)。
高木 : あのリフがそんなに難しいとは成一君に言われるまで気づかなかったよ。あとこの曲、俺がギターソロ弾いてんだよね。