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vez インタビュー。絶望から始まるニューアルバム「Salary Bay」の全貌。

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liveikoze:前作の「Intuitionistic logic」とは対照的ですね。「杼」でしっかり提示したのとは違い。

高木:今回は「夜虹」があるから。

liveikoze:逆にこの曲が最後ここにあることによって、救われるというか…

高木:ドーンといけるっていうのかなぁ、また次に繋がるというか…

ASAKI:そうだし、俺達もその"Set me free"があるからという気がする。

liveikoze:これもライヴで盛り上がること間違いなしですね。

高木:良い作品だよ(笑)。そういえば、YANAさんとは喧嘩に近い感じで自由について話したりしたよ(笑)。

liveikoze:最後に今回のアルバムタイトル「SALARY BAY」とは?

高木:そもそもvezというバンド名の由来でもあるvezo族という人達がいて、その子供たちが十五歳になって初めて漁に出て帰ってきた時に「今日からお前もvezoだ」って言われるというドキュメンタリーをTVで観て。たまたま観たってだけだけど。そこの島の港の名前。

liveikoze:前うかがった時より核心に迫りましたね(笑)。

高木:なんか調べたらでてきたんだよね。本当はvezではなくvezo。でも一番の問題は彼らが温暖化の影響を受け、海面上昇でそこにいられない状況になっているということ。そこの話は逃げられなくね?それを含めて、そもそも今回は資本主義の勉強から入ったから「SALARY BAY」が良いなって。サラリーって言葉自体がが金融にも繋がるし。適当で申し訳ないけど。

liveikoze:確かに経済も自転ですからね。

高木:そう。それでASAKIにも伝えた俺達の世界の表裏一体に繋がるというか…何ができるわけではないけど歌いたいと。

liveikoze:いったらアルバムタイトルに全てが集約されているということですね。

高木:バンド名にも。

liveikoze:それこそ今回はセルフタイトルに近いわけですよね。

高木:この四人がやっと纏まった感じだからね。

liveikoze:ASAKIさんは何か?

ASAKI:音的にいえば、ここまで追い詰めたレコーディングは初めて。ファッション的なことを言えばゴスなら解る。だけどオルタナティブとはなんぞや?と考えると、そこまで精神的に落ちなきゃいけなかったんだと…自分的には初めての経験だったので。

liveikoze:オルタナティブもファッション的な側面もあるますが、少し違うようなのは確かに。

ASAKI:落ち方の方法論が全く解らなかった。

liveikoze:vezはそういうバンドということで。

ASAKI:いい経験になったよね。なんか自傷というか…

liveikoze:なんかリストカットではないですが、体を切り刻む感覚ではありますよね。

ASAKI:そうだね。刻んだね。大したことをやってないんだけどね。

liveikoze:ただ表現の一つとしてそこまでやらないと、ここまでのものは出来ないのではないでしょうか?

ASAKI:ただ願わくば同じシュチュエーションで同じアルバムは作りたくない。切り刻んだから(笑)。

高木:アートとは?じゃないかな。ゴッホのひまわりのような。アートとデザインがゴチャ混ぜな時代は終わってほしいよ。

interview & text:R HIRAKAWA
photo:sentaro